杀人夜能拉死人吗:農業ネット(施肥の基礎)-②肥料の種類

来源:百度文库 编辑:中财网 时间:2024/05/08 08:34:26
②肥料の種類
a.有機質肥料
油かすや魚かすなどの有機質肥料は、各種産業から排出される副産物や廃棄物を処理して作られており、含有肥料成分は原料や処理方法によってかなりの幅があります(表3-2)。また、これらの有機質肥料では、含有窒素量の55~70%しか分解して作物が利用しやすい形になりません。さらに、分解時にはpHや温度、土壌水分などの影響を受けやすいことが明らかにされています。しかし、窒素の供給源だけではなく、微量要素の供給などの化学的な改善効果や物理性の改善、有用微生物の増加など生物性の改善効果が期待されています。
近年、消費者の有機栽培への関心の高まりの中で、有機質肥料を使用する事例も増加してきています。実際、化学肥料と同一窒素施用量で試験した場合には、収穫物中のビタミンC含量が高まり、人体に有害な硝酸態窒素含量が少ないという報告もあります(表3-3)。しかし、多量施用をした場合には、硝酸態窒素やビタミンC含量は化学肥料を施用した場合と同じか逆になることもあるので注意が必要です。
ア.植物質肥料
植物油かすの窒素はたんぱく態で、肥料効果は魚かすなどの動物質肥料よりは緩やかです。しかし、分解過程でガスや有機酸が発生し、作物に害を及ぼすことがありますので多量施用をしないようにします。りん酸はフィチン態でやや緩やかな肥料効果を示し、加里は、そのほとんどが水溶性で他の成分に比べて速効性ですが、含有量が少ないため化学肥料などで補充する必要があります。
イ.動物質肥料
魚かすに含まれる窒素は土壌中で分解しやすく、油かすなどの植物質肥料よりも作物に速やかに吸収されます。油かすなどと同様に、多量に施用すると窒素の分解過程でアンモニアや亜硝酸のガスが発生して作物に害を及ぼすことがありますので、過剰な施肥をしないようにします。りん酸は主としてりん酸三石灰で肥料効果が緩やかです。しかし、加里の含有量が少ないので加里肥料の併用が必要となります。


b.主要化学肥料
窒素肥料では硫酸アンモニアや尿素、りん酸肥料では過りん酸石灰、熔成りん肥、加里肥料では硫酸加里が一般的で、単独または複合肥料の原料として使用されています(表3-4)。また、石灰質肥料には水酸化石灰(消石灰)や炭酸石灰などがあります。それぞれの肥料の特性は次に示す表の通りです(表3-5)。


c.複合肥料
複合肥料は、窒素、りん酸、加里のうち、少なくとも2成分以上含むもので、表3-6に示すように、含有割合によって9タイプに分類されます。また、複合肥料は、製造段階で化学的操作を加えた化成肥料と化学的な操作を加えずに数種の肥料を混合した配合肥料などに分かれます。最近は、表面を樹脂などで被覆して肥効を調節した被覆肥料が多く販売されています。
表3-6 配合肥料?化学肥料の分類(肥料便覧)

d.被覆肥料
被覆肥料は、水溶性の肥料を樹皮などで被覆して、肥料成分の溶出を緩やかにしたものです。溶出速度の違いによって、初期から溶出するリニア(放物線)タイプと作物の吸収量が少ない時期に窒素の溶出を抑えたシグモイドタイプに大別されます(図3-1、表3-7)。また、同じ肥料であっても溶出速度を変えた製品が多く発売されています。一般に被覆肥料からの養分の溶出は温度の影響を受けやすく、高温ほど溶出が速くなります。
被覆肥料は、硫安や尿素などの速効性肥料に比べて窒素の溶出が緩やかであるため、溶脱量が少なく、施用窒素の利用率は高まります。たとえば、ニラでは、株養成期に被覆肥料を施用することによって、慣行の約半分の窒素施用量でも収量が10%程度増加するという試験結果が得られています(表3-8)。また、保肥力が乏しく、排水が良好な砂質畑において被覆肥料を使用すると、窒素の溶脱が大幅に抑制された事例も数多く報告されています。地球温暖化に悪影響を及ぼす物質の1つである亜酸化窒素は、被覆肥料の使用によって発生量を低減できることが明らかにされています。

図3-1 被覆肥料の溶出模式図